R30からFIREを夢見る男ふたりの本と人生のブログ

共働きを前提に家を購入したが奥さんが仕事を辞めてしまった薬剤師じゅんじゅんとFIREを夢見る幼馴染のしょうが日々の想いを書いていくブログ

ビーフリードの側管からセフトリアキソンを投与してもいいか?

どーも

じゅんじゅんです。

本日は薬学系記事です。

 

先日、病棟でこんな質問をされました。

 

「セフトリアキソン(以下:CTRX)をビーフリードの側管から投与してもいいですか?ルートがどうしてももう一本とりづらくて。」

 

できれば一つのルートから同時にいきたいところですよね。

業務負担軽減や、何度も患者さんに注射を投与することによる苦痛を軽減するためにもできるだけ簡便にしたいところです。

ですが、

 

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ビーフリードの側管から投与してはダメです!

 

もし行くならばCTRXを投与する際にビーフリードを止めてもらい前後フラッシュすれば同一ルートからでも投与可能です。

なぜだめなのでしょうか。

 

まず配合変化とはいったいなんなのか

配合変化は2種類以上の注射薬を混合することによって起こる物理的、化学的変化のことをいいます。

シリンジ内、ボトル内、ルート内で起きることがあり、外観的変化が起こる場合もあれば起こらない場合もあり、複数の注射薬を投与する場合は注意が必要です。

また注射薬には薬効を示す主成分のほかにも添加剤や溶解補助剤など含まれており、この添加剤が配合変化を起こす可能性もあり、投与する薬剤が多ければ多いほど、考え方は複雑になります( ゚Д゚)

 

ただし、投与する順番の工夫や注射薬の組成を把握することで配合変化は避けることができます!

 

今回CTRXとビーフリードはなぜ側管からいってはだめだったのかというと

CTRXはCa含有注射薬を同時に投与することにより、カルシウムイオンがイオン交換反応を起こし、沈殿物を生じる可能性があるので、同一経路から投与しないようにとなっています。

そして、ビーフリードは末梢静脈輸液栄養製剤となっており、アミノ酸、ビタミン、電解質が含まれています。

ビーフリードの中にはCaが含まれているんですね。

なので、側管から投与ができないんです!

Ca濃度が低い場合でも、CTRXは半減期が長く、体内に残存している可能性があり、配合変化により結晶が析出してしまう可能性があるという指摘もあります。

 

側管からいかなくても、体内に入ったら配合変化が起きてしまうのでは?と思った方もいるのではないでしょうか

血中ではCTRXはアルブミンと結合しているので、体内においては考慮する必要はあまりないとメーカーさんより回答がありました。

 

国外ではCTRXとCa含有注射薬の同時投与で死亡例も報告されているので注意が必要です。

 

今回の場合は別ルートを確保するか、CTRX投与中はビーフリードを止め、前後フラッシュして投与が推奨されます。

またビーフリードにその他の注射薬が混合されている場合は、薬剤師に問い合わせてください。

 

おそらく病院では配合変化表を作成しているところも多いかと思いますので、複数の注射薬があるときにはpHや変化点の確認を行った上で、投与するようにしましょう!

 

では!