どーも
じゅんじゅんです。
先日、入院患者さんの手術前の面談で薬などを聞き取りしたあとのことです。
その患者さんは卵アレルギーだったのですが、受け持ちさんのカルテの記載をみると
卵アレルギー→プロポフォール、ロピオン禁忌
って書いてたんです。
いやいや、ちょっと待ってください!
どうしてそうなった( ゚Д゚)
(患者さんから聞き取りした段階では薬剤アレルギーはない、お薬手帳にもそのような記載はありませんでした)。
え、禁忌なん?
いえ、卵のアレルギー歴自体は、プロポフォール、ロピオンにおける禁忌ではありません!
なぜ禁忌だとは言えないのか、すごく簡単に説明します
まずは卵(鶏卵)アレルギーについて
そもそも卵を含む食物アレルギーは油成分ではなく【タンパク質】で起こります。
卵のタンパク質は卵白です
含まれている主なタンパク質は
・オボムコイド
・オボアルブミン
・オボトランスフェリン
・リゾチーム
になります。
なぜ、プロポフォールとロピオンは禁忌と書かれてしまったのでしょうか
まず薬についてですが
プロポフォール → 全身麻酔、鎮静溶剤
ロピオン → 鎮痛薬
という分類になります。どちらも白い液体の薬剤です(始めに載せている写真のような薬です)
薬というのは効果のある‘成分‘だけではなく、形作るために‘添加剤‘が入っています。
今回のプロポフォール、ロピオンの添加物を確認してみると
卵黄レシチンって入ってますよね?
これ卵やっぱりダメなんじゃないか・・・
いやいや、先ほどさっくり説明したことを思い出してください
卵アレルギーは油成分ではなく、卵白【タンパク質】によるものだと
‘卵黄‘は‘油成分‘なんです
ってことは、プロポフォール、ロピオンに使用されている添加剤は卵白ではなく卵黄レシチンつまり油成分なので、理論上からいうとアレルギー反応はでないということになります
しかし、今回の患者さんは卵アレルギーしかわからず原因が卵白【タンパク質】によるものかはわからないということで、プロポフォールとロピオンはそのまま使用を避けることになりました
もしかしたら、卵黄レシチンに過敏かもということで・・・
結論からいうと、卵アレルギーだからといって、プロポフォール、ロピオンは禁忌にならない です
卵アレルギーの患者さんが来た場合には詳しく話を聞く必要がありますし、アレルギーだと断定できないので、主治医の先生に報告し、相談しましょう
もちろんきちんと調べられていて手帳等のアレルギー欄に記載がある場合は避けたほうがいいでしょう
ちなみに、麻酔薬及び麻酔関連薬使用ガイドラインのプロポフォールの副作用の記載ページにはこういった一文があります
卵アレルギー患者でアナフィラキシーショックを呈したという報告がある。一方で卵アレルギー患者にはプロポフォールは安全に使用できるという報告もある。
どっちもあるんかーい(笑)
では!